検診そして腹痛

38週の検診は助産師による助産外来だった。

体重コントロールができていることや、母子手帳にその時々の思いを書いていることを褒められ、まんざらでもない気持ちになる。

が、お腹の張りもさほどないし、出血もないし、子宮口もかっちりなので「産まれる気配がまったくないんすけど」というとまだ38週だしそんなもんよ、と苦笑いされた。

正産期に入りたての頃は、いつ産まれてもいい時期に入りましたよとはいわれてもまだ妊婦生活を楽しみたいなあ、産まれたら今みたいにのんびりできないんだし、と思っていて、6月中はお腹にいたらいいよと心の中で子どもに語りかけていた。

でもこんなに何の兆候もないと、さすがにいつ来るかいつ来るかとドキドキしてくる。兆候をちょいだししてくれよ自分の身体よ、と勝手ながら思ってしまう。

暑いのでショッピングセンターなどすずしいところで歩く、股をひらいてしゃがむ、あぐらをかく、乳頭マッサージをする、などお産の準備していきましょうねと助産師にアドバイスされる。病院によってはすごくスパルタなところがあるが、通っているところはほどほどの優しさで支えてくれる病院で本当によかった。厳しすぎるとメンタルが産む前にやられてしまいそうだった。

母が検診につきそってくれたので、胎児エコーを見せることができてよかった。が、いまいち位置が悪く、顔も性別もはっきり見えなかったので母の感想は「へー…よくわからん」だったけど。ごめんお母さん、私の子はエコー時だいたいこんな感じです。

検診補助券が今回で終了だなあと思っていたら、会計時に「次回超音波があってそれは高額なので、今回900円払われたほうがいいと思いますが、どうされますか」と聞かれた。次回までにお産になったら使えないのだが、おそらく次回検診来るだろうと思って支払いをすることにした。なんて良心的会計…!と感動したのだが、これって普通のことなのかな。

 

さてその夜のこと。

お風呂あがり乳頭マッサージをして、さて寝るかと思っていたら揺れを感じた。大分で震度5強。こちらのほうの震度はたいしたことなかったが、妊娠中に地震があると怖いねえと子どもに語りかけた。

30分くらいニュースを見て寝室に移動したのだが、胎動が激しくて寝られない。かつ、なんか、お腹痛い。さわられて蹴られて痛い、便が出そうで痛い、子宮がきゅーと縮まる感じで痛い、そのどれも当てはまる感じで、どんどん汗ばんできた。どうしようどうしよう、これって陣痛なのかな、このままお産が始まるのかな、ああやっぱり兆候は深夜に始まるのね、暗いしみんな寝てるし不安だわ、と思った。起きて椅子に腰掛けてたほうがましな気がしてリビングに移動した。陣痛アプリをいちおう起動させる。「陣痛 胎動」「陣痛 痛み 長さ」「陣痛かと思ったらうんち」などで検索して気を紛らせる。

結局便が1時間後くらいに出て、痛みもおさまってきた気がするので、もしこれが本陣痛だったとしても、これくらいの痛みで寝なかったら体力消耗して長いお産耐えられないぞと思って、意地で寝ることにした。結果すぐに寝られた。

前駆陣痛だったのかもしれないし、ただの便意による痛みだったのかもしれない。どちらも起きたのかもしれない。ただ言えるのは、お産の兆候のリハーサルができてよかったということだ。慌てかけたが意外と冷静な自分もいて、いやあ、兆候をちょいだししてくれよ自分の身体よって思ってたら本当に出してくれてありがとねと思った。偽陣痛だったかもしれないが、いろんなシミュレーションはできた。これが毎晩続くとつらいかもしれないが、本陣痛はもっともっとつらいのだろうから、休める限り休む、寝られら限り寝る、を心がけようと思う。