入院7日目
ついに日曜日。最初は「1週間かかる人もいるのかー、へー、大変だなー」と他人事だったのに、まさか自分がその人になろうとは…。
今日もなにもすることがない。ただただ子どもも私も元気なだけだ。いやそれが一番大事なことなんだけども。階段の上り下りをがんばる。
破水したら出産までのリミットが72時間、とかいうらしいので、破水したのに抗生剤飲んでるだけで大丈夫なんですか?と看護師さんに聞くと、昨日の血液検査も問題なかったし、熱もないし胎児心音もばっちりなので大丈夫、羊水がダラダラ出てるわけじゃないし、偽破水ってこともあるしね、と言われる。そうなのか。急いで産ませないといけないのかと思ってたが。さすがに明日からはまた促進剤を使うだろうか。
夫と義母が来院。いつものことだが、義母はやはりずっとしゃべっていた。すごい。話題に事欠かない。周囲からまだ産まれないのかと聞かれまくっている義母が、予定日過ぎて最長どれくらいで産まれたひとがいますか?と看護師さんに聞いていた。看護師さんは、まあひとによりますよ、42週までは正産期なので大丈夫、一番不安を抱えてるのは妊婦さんなので、あまりプレッシャーを与えないようにしてあげてくださいね、とやんわり答えていた。そうか、病院のみなさんあたたかく見守ってくださっているのだな、と嬉しかった。看護師さんは、私の現状よりも義母が夫を産んだときの状況(逆子で普通分娩、羊水が先にほとんど出た、産んだ後は保育器行き)のほうが怖いですね、この人のほうがよっぽど安心なお産ですと笑っていた。
入院6日目
夜間羊水が流れ出る感じはなく朝を迎えた。ただ、お腹が時々痛い気がする。陣痛につながってくれればいいのだが。
6時45分から分娩監視装置つけたのだが、赤ちゃんの心音がいまいちとれず、1時間半もつけていた。
9時内診。月曜よりは薄くなってきてますね、羊水も流れ出ないようだし、今日は点滴せずいきましょうとのこと。点滴ないと自由がきくので嬉しい。がそれならやはり外出したかった…。まあいつ何が起こるか分からないので家族としては病院にいてくれたほうが安心なんだろうな。
処置もないので動くしかない。スクワットと、非常階段を1階から8階まで往復する。2日目に見てくださった先生とばったり会い、「その心意気がいい」と褒めてくださった。
休みなので夫は近くのショッピングセンターに車を停め、2時間くらいいてくれた。ローソンでプチシューを買ってきてくれた。身体に悪いものはおいしい。
20時、分娩監視装置つけられる。6分間隔くらいで張りがきてません?と言われるが、はあそうですかという感じ。赤ちゃんが動くとき、うっとなるが、痛いという感じではない。このまま陣痛につながるといいですね!寝られそうなら寝ましょうね!と言われる。よしよしいい感じだぞ、明日くらいには出てこいよと思いながらうとうと眠る。
入院5日目
入院初日は誘発に一週間もかかるのかよ?!と言っていたが、ついに週末になってしまった。過ぎてしまえばあっという間だ5日間なんて。手を尽くしているのにさっぱり気配もないし、もうどうにでもなれだ。
9時内診。ぐりぐりされているはずだがあまり痛くない。やはりちょっとは進んだということか。でもまだ子どもは遠くの奥の方にいるらしく、先生も看護師さんも「こりゃあよっぽどお腹の居心地がいいんだね」と笑っていた。どうしても私か子どもになにか問題があるから出てこないのではと不安になっているので、そう言ってくださると安心する。処置はフルコース試したんですが、どれが一番効き目ありました?と聞かれたので、点滴と答え、じゃあ今日同じ点滴をして様子見て、土日なにも処置できないからゆっくり過ごしましょう、赤ちゃんも元気だし外出してもらってもいいかもと言われた。すわ、外出許可がでるのか?!やっほー!てか病院でなにもすることないんなら土日家に帰らせてくれと思う。
点滴がはじまったが前回より痛みも張りも少ない。15時、こりゃあ今日も進歩なしかなとがっくりきて、今日担当してくれている看護師さんといろいろ話す。お腹の中の人にもたくさん話しかけてくれる。私なんぞよりよっぽど話しかけがうまい。さすがだ。もう少しで先生の内診があるから、その時に土日外泊お願いしてみましょうねと言っていた。
すると16時半、部屋を出てゴミ捨場に向かい缶を捨てた瞬間、股からちょろちょろと流れる感覚が。ん?おしっこ漏らしたか?と思ってトイレに入りナプキンを確認すると血が混じっている。意思とは関係なくたらたら流れるこの感じ…こ、これがあの破水ってやつか!と思いナースコール。すぐに内診してもらい、最初はあれ?破水じゃないかも、卵膜あるし、と言っていたのだが、高位破水であることが判明。こ、これがあの、気付きにくいから要注意と噂の高位破水!このタイミングで高位破水!と興奮アンドがっくし。せっかく一時帰宅できるかと思ってたのに。破水となれば帰れない。いやいつでも出ておいでとは言ったけどさー、いまじゃなくてよくね?さてはこいつ(お腹の中の人)よっぽど天邪鬼で親の言うこと聞かないKY野郎なのかも…と思った。先が思いやられるぜ。看護師さんには朝よりだいぶ開いてきましたね!と言われる。それでも2センチ弱らしい。まあとても少しずつだが進んでいるのはいいことだ。
17時点滴終了、破水したため感染予防に抗生剤を服薬。点滴終了後はやはり張りも痛みも遠のき、今日産まれる感じはなさそうだと思った。明日の様子を見て、促進剤を使うか自然に陣痛が来るのを待つか、判断するとのこと。その日担当の先生の方針にもよっても薬を使うかどうか変わるらしい。もうほんと、どっちでもいいです。たぶん薬使おうと使わなかろうと、結局はお腹の中の人のタイミング待ちだと思います。
入院4日目
41週を迎えた。胎盤機能の低下も気になるし40週のうちに産みたかったが、まだお腹にいたいよーと子どもが出渋っているということにしておこう。
6時半分娩監視装置。装置つけてくれた看護師さんは破水後4日かかって普通分娩で産まれたよと言っていた。促進剤つかってもうちの病院は少なめの量しか使わないし、いつ産まれるかは結局神のみぞ知るところらしい。赤ちゃんがその時になったらノックしてくれますよ、気楽にいこう、と励ましてくれる。うう、今日もがんばるぞ。シャワーを浴びてさっぱり。
9時内診。昨日からあまり変化なし。今日は10時から1時間ごとに6錠、子宮口を柔らかくする内服薬を飲むことにする。昨日ほどの分かりやすい張りや痛みはないが、昼過ぎから不定期に張りが感じられるようになった。おやつの黒ごまプリンを食べたあとあたりから、お腹が苦しい。苦しいが負けずにうろうろしてたら今日担当ではない看護師さんが声をかけてくれて焦らなくて大丈夫ですよ!と励ましてくれた。嬉しい。
夫は火・木曜日は県北に営業に出るルーティンのため、面会時間に間に合わないため来られないと言っていたのだが、今日は早めに市内に帰ってこられたということで面会に来てくれた。疲れているだろうにありがたい。いろんな友達から産まれた?と聞かれるらしい。ごめんなかなか出てこなくて。
夕方の内診がなかったので、どう進んだのかはよくわからないが、あまり変わりがない気がする。土日は処置ができないみたいなので、明日なんとかなるといいのだが。子どもは常にめちゃ元気らしいので、それだけが救いだ。
入院3日目
6時30分、分娩監視装置。私が寝ていると赤ちゃんも寝るらしく、いつも15分くらい余計につけていることになる。一心同体…。
8時45分、シャワー。今日から点滴スタートの可能性が高く、夕方シャワーを浴びられないので、ささっとすませる。
9時内診。2日前よりは赤ちゃんの頭が骨盤にはまってきたかなーと言われる。ちょっとずつでも進んでいるようでよかった。バルーンの効き目が少ししかないので、今日から点滴試してみることにする。今日産まれるかどうかはなんとも言えないが、可能性は低そう。点滴がはじまると肩に力が入っちゃうかもしれないけど、なるべくリラックスしてすごしてねと先生。そのためにも個室に移れてよかった。
10時点滴開始。開始前にけっこうお腹の張りが頻繁にきてますねと言われるも、まったく自覚ない。以前入院したとき、点滴を手の甲でされてとても生活しづらかったが、今回は左手首にしてもらえた。アトニンの点滴を30分ごとに10ml増やしていって、最大120mlまで入れるそうだ。2分間隔で張りがあるらしいが、そんなに頻繁に張ってるのか、と相変わらずの鈍さ。昼食も普通に完食。
13時半ごろからお腹が張ってきゅーとした痛みを徐々に感じるようになった。3分間隔くらいで痛くなる。段々痛みも強くなって、痛いと感じる時間も長くなってきた。とはいっても普通に歩けるししゃべれるレベルの痛さ。痛みが急に来る人もいるらしいので点滴をすることに恐怖心もあったが、徐々に段階を経ながら効き目を感じていくので、陣痛の予行演習になってほんとにありがたいと思った。このまま本陣痛につながればよいのだが、そううまくもいかないのかもしれない。
15時半、おやつ(焼きたてのデニッシュ!おいもとチョコ!レベルたけぇ!)を食べていたら父が来院。一昨日スマホに替えたばかりなので、LINE交換しようと言ってくる。いろいろ設定してくれと言われてめんどくせーなーと思っていたら、先生の内診があるので診察室へお願いしまーすと看護師さんの救いの声が。そそくさと父を追い出すひどい娘。内診ではぐりぐりされたが、朝のような痛みがない。同じ強さでやっているのかな?と思うくらいだった。朝とあまり変化はないらしいが、出血もあるし痛くないってことは柔らかくなって進んできてるのかもね!とのこと。
17時点滴終了。終わったと同時にポコポコ動き出す我が子。しんどかったかな。よく1日がんばったぞ。点滴終わっても痛みは続く。今から陣痛に備えて呼吸を練習しとくといいですよと言われる。痛いと思ったらまずふーっと吐く、吐いたら吸いたくなるので吸う、またふーっと吐く、を繰り返してると痛いのが終わります、と母親教室で教わってたけど忘れてた。痛くなるタイミングで試してみる。痛いことは痛いが、呼吸に意識を持っていってたらたしかに痛みをちょっとだけ忘れるかも、と感じた。意識をわざとずらす感じ。痛みがこれの何百倍も大きくなっても変わらずできるかどうかは自信がない。
夕食を食べ終えるころには、お腹の張りは多少あるが子宮収縮の痛みはほぼ感じられなくなった。
夫来院。友達などに「陣痛時や分娩時いかに夫は役立たずか」を脅しのように聞かされまくっているらしく、自分も邪険にされるくらいならずっと外で待っていたほうがいいかもと思い始めているらしい。男ってやつぁ…。私もどうなるかはわからないが、そばにいてくれたほうがきっと心強いと思う。少しでもいいから出産のたいへんさを味わってくれておいたほうがいいと産む側としては思うのだが、それは産む側のただのエゴなのだろうか。仰せのままにしてくれるらしいので、夫にイラっときたら「ちょい、外に出ててもらえる?」と言うしかない。周りのことを気にしているうちは産まれないよと助産師さんは言っていたな。
21時分娩監視装置終了と共に就寝。結局痛みはほとんどないまま終わった。
入院2日目
6時看護師さんに起こされ分娩監視装置。
9時内診。子宮口が硬いわけではないが、赤ちゃんの頭は遠く奥の方にいるので、先生の指がつりそうになる。マジすいませんと思う。昨夕の内診から変わりがないとのことで、今日もバルーンを入れる。がんがん歩いてください、スクワットや階段昇降もいいよ、と言われる。昨日もやればよかった。
11時母来院。個室が空いたので引越しすることに。1日7200円かかるが、格段に居心地がいいので背に腹はかえられぬ。トイレも洗面台もある。極楽じゃ!昼食に鯖カレーが出る。といいつつ鯖よりキノコのほうが量が多い。なんかこの病院、攻めたメニューが多い。
先生の指示通り、スクワット・階段昇降・散歩をがんばる。シャワー前に汗をかく。14時シャワー。15時分娩監視装置。今日のおやつはパウンドケーキ!うまー!毎日おやつ食べていいなんてステキ!
17時内診。朝よりは進んでるよ!とのこと。明日からは点滴してみようかねとのこと。一歩前進。夕食前にひと歩き。
18時夕食、入院して初めてのカープテレビ観戦。投手戦なのですごーく地味な試合。でも周りを気にせずカープが見られるのはやはりいいな。個室バンザイ。しかしこの日は巨人に負けてしまった…野村、ドンマイ。
20時分娩監視装置。明日から点滴はじまるかもしれないので、朝シャワー浴びようかねと看護師さんと相談。シャワーせめて17時じゃなくて19時までOKにしてほしい。
23時トイレに行ったら出血していた。少量だったので様子見。妊娠中一度も出血なかったので、出ているとドキッとしてしまう。個室ではあるが寝つきが悪いしまとまって寝られないのは変わらず。赤ちゃんの泣き声も遠くで聞こえる。私も数日以内にあの泣き声を我が子で聞くことになるのか、と覚悟する。
入院1日目
9時病院到着。母がつきそってくれる。でも手持ち無沙汰なので、30分ほどで帰ってもらう。
個室希望だったが大部屋しか空いてないので、そこに通される。他の病室も回ってみたけど、ベッドほぼ全て埋まっている。
9時40分診察。子宮口指一本入る程度で、赤ちゃんの頭もまだ浮いた状態。膣にバルーンを入れて、物理的に子宮口を広げていく。明日から促進剤を使う予定。バルーンを入れるときはほとんど痛くないが、入れたあと生理痛のようなどーんとした重ダルさがある。あったほうがお産が進むと信じてグッと堪える。
10時から40分程度、分娩監視装置をつけられる。時々お腹張ってるみたいですねーと言われるも、自覚がなさすぎてわからずすみません、と思う。赤ちゃんも元気みたい。
12時トイレにいくと、少量出血あり。血が出ると思ってなくてナプキンもしておらず、びびって思わずナースコール。また分娩監視装置つけられる。お腹と腰が重だるい。相変わらず張りはよくわからない。しっかり食べてくださいと言われて昼食完食。冷凍ミカンおいしい。
母に連絡し、予備のナプキンなど買ってきてもらう。自分で病院内のコンビニに行きたいのだが、あまりウロウロしないほうがよさそうなので頼ることにした。2度来てもらって申し訳ない。マンゴープリンを食べる。朝便が出ていなかったが、ようやくでた。お腹と腰の痛みは減ってきてしまった。
15時分娩監視装置。15時30分、おやつの時間。おからクッキーとノンカフェイン紅茶!ありがたい!
16時30分、急いでシャワー。浴びた直後内診、バルーン外れる、そして子宮口ぐりぐり。いてえ。朝よりは広がったけど、指二本ははいらないなあ、まあゆっくりいきましょう、とのこと。血がダラダラでる。産まれるまで1週間かかるひともいるよと朝言われたが、これまじで私1週間かかるコースかもしれん、と少しどんよりしてたら、看護師さんが明日からのためにも今日はゆっくり寝ましょうね、とかいってたら夜陣痛くるかもしれないんですけどね、と慰めてくれる。
18時夕食、完食。小田巻蒸しという初めてお目にかかるメニューがあった。茶碗蒸しのなかに細かく切ったうどんが入っていた。なんとも不思議な料理だ。美味しくいただいた。
18時45分、夫来院。明日は来られないかもとのこと。さみしい、が、台風も来ているみたいだし、無茶はさせられない。いつくるかわからない本陣痛まで余力を残しておいてもらおうではないか。
21時分娩監視装置。すでに病室暗い。さっきちょっとうとうとしかけたが、今寝ると丑三つ時に目が覚めて非常に心細くなりその後まったく寝られなくなりそうでこわい。
2時過ぎまで赤ちゃんに子宮口のあたりを攻撃され、なかなか寝付けなかった。ベッドも狭いし、いびきも聞こえるし、落ち着かない。だから個室がよかったんだけど、しかたがない。それなりには寝られたのでよかった。後は合間合間に仮眠をとっていこう。寝ないと頑張れない人なので。