産後6日目、そして帰宅

朝はだいぶスッキリと目覚めることができた。熟睡とまではいかなかったが、最悪の体調および精神状態からは脱却した気がする。

8時過ぎに、ようやく退院時診察があった。子どもを取り上げてくれた先生がおしもや子宮の状態を見てくれる。縫合したところはきれいですよ、子宮の戻りもいいです、でも昨日熱も出たし疲れが溜まってだいぶしんどかったみたいだけど、大丈夫?退院許可だせるけれど、しんどいようならもう一日いていいんですよ、と言ってくれた。いやもう2週間も病院いるし、もーう勘弁してくださいと思って、実家に帰るんで落ち着いて過ごせると思います、大丈夫です、といって無事、退院が正式に決まった。

荷物をまとめていると、陣痛時に様子を見てくれた看護師さんがやってきて、母子手帳に記入をしてくれたり、いろいろ話をしたりしてくれた。たぶん昨日からの申し送りがされているのだろう、心身ともに心配してくれた。よかったら2週間後くらいに、一度病院に来られませんかと言われる。個別完全予約制で子育てに関するあらゆる悩み相談ができる場をこの病院は設けていて、それに参加を促された。悩んだらまた連絡して予約入れようと思ってはいたのだが、悩みの底なし沼に落ちる前に半強制的に行っておいたほうが、ひとにうまく頼れない私にとってはいいのかもしれない。予約をお願いした。同時に1ヶ月健診の予約もお願いした。

日曜なので顔なじみの看護師さんがいないのは残念だったが、手が空いていたスタッフのかたに見守られながら、やっと、やっと退院した。アイムフリー!!!ありがとう、お世話になりました。

外は暑く、日差しがきつかった。日焼けをしないように、子どもの顔をおくるみで守りながら、タクシーに乗って実家に帰った。今日からまた新しい生活がはじまるよ。

買っておいた哺乳瓶が子どもに合わなかったので、すぐに近くのドラッグストアまで買いに出かける必要があった。産後ほとんど歩いていないしお尻も痛いのでゆっくりとしか歩けず、買い物にとても時間がかかった。本当は家族に買い物を頼むべきなのだろうが、自分でないとどの哺乳瓶ならOKなのかがわからないため、歯を食いしばって自宅とドラッグストアを往復した。ふだんならなんてことない距離がとてつもなく遠く感じた。

夕方、夫がアメリカ人の友達を連れて実家まできてくれた。泊まりがけで夫はこの人が私達の地元で開催されるトライアスロンの大会に参加するのをサポートしていたのだ。夫は本当は自分も大会に出ようとしていたのだが、子どもが産まれる頃だとわかっていたので、普段泳いでいないのにいきなり海に入って長距離泳ぐのはやめてほしいと私が断念させたのだった。この友人とは結婚以降ずっとタイミングが悪くて会えず仕舞いだったので、二人とも気になっていた。日本語がかなり話せるようになっていて驚いた、と夫は言っていたが、優しいひとなのだろう、私には日本語で話してくれた。簡単な英語すら口から出て来ない自分が情けなかった。出産祝いまでいただいてしまい、今度は子ども同士遊ばせようね!と言い合って別れた。

子どもが今までとは違う環境に移ってパニックを起こさないかなと心配していたのだが、意外にスムーズに寝たり起きたりミルクを飲んだりしてくれた。夜もたいした混乱もなく寝てくれた。私は相変わらず「寝られるときに寝る」ができずにいたが、実家はやはりいいものだ。リラックスして布団に入ることができた。