出生前診断

実は妊娠中、新型出生前診断(NIPT)を受けた。

不妊治療の病院で、妊娠判定後に「35歳以上の方には伺っているのですが、出生前診断については考えていますか?」と先生に聞かれた。以前から夫に「妊娠したら出生前診断を受けてほしい」と言われており、私としては複雑な気持ちもありつつ、お産に向けて少しでも安心して臨みたいという思いもあったので、受けることにした。

通っていた病院では検査を行っておらず、別の病院に受診することになった。夫婦で受診し、検査についての説明を詳しく受けたあと、同意書にサインし、採血を行った。

結果は2週間ほどで出た。2週間の間、もし陽性の結果が出たら、私達はどういう選択をするのだろうか?という思いは消えなかったが、あまり考えないようにもした。結果が出てからその先のことについては考えようと思ったし、夫も同じことを言っていた。一人で結果を聞きにいったのだが、結果は陰性だった。ほっとした、ということしか思えなかった。

産前産後も追跡調査のため受診してくださいということだったので、出産予定日の2ヶ月前と2カ月後に予約を入れられた。たった数回とはいえ産院とは別の病院に通わないといけないのは面倒くさかったが、産院ではもらえなかった3Dのエコー写真がもらえたり、すべて同じ先生が見てくださるという安心感があったり、悪いことばかりではなかった。

そんなわけで今日、産後の診察を受けに行った。出産時の様子を母子手帳を見ながら聞かれ、最後に、第二子妊娠の際はまた検査を受けようと思われますか?と聞かれた。正直、第一子でいっぱいいっぱいなのでとても第二子について考える余裕は今ないし、夫も40代半ばなので、諸々のことを考えても厳しいだろうとは思う。が、第二子のときもたぶん検査を受けると思う、と答えた。

検査で分かることはほんのわずかの種類の障害の有無だ。かつ、産まれたときはなにもなくても、成長するにつれ分かることもあるだろう。出生前診断が命の選別につながると批判されていることもわかる。ただ、検査結果を受けて、産む前にいろんな覚悟を決めることができるのはいいことだと思う。いや、検査を受ける、ということ自体、覚悟を決めなければ受けられないと私は思う。検査後に待ついろんな決断を、自分たちは責任を持ってしきれるのか。そして、産まれてくる子を慈しみ育てようと努力することができるか。そこに考えを巡らせることができていればいいのではないかと思う。